Kijikko diary

上海在住。手芸と小沢健二を愛する、私のダイアリー。

ビュッフェの件


朝から「あ〜〜あ、ビュッフェとか食べたいなあ〜〜!!」とのたまう夫。私はその瞬間、分かった。「この人はビュッフェを知らない」。案の定、「ビュッフェの意味、知ってるの?」と詰め寄った途端、挙動不審に。27年間、ビュッフェという言葉を知らずに困らずに生きてこられたなんて。不思議な子や。


言葉をあまり知らない夫は、読書が好きだ。宮台真司山崎豊子が好みとか。社会的な内容を孕んだ彼らの著書はイージーリーディングとは言いがたく、夫は言葉の意味を調べるために、ときたま辞書やPCに向かう。自らの語彙レベルを超える書物と果敢に向き合う夫。「うそぶくってどういう意味?嘘つくっていう意味?」


“覚える”のは苦手でも言葉を“使う”ことは好きで、それらしい言葉を覚えるたびに連発する傾向あり。たとえば「言い得て妙やな」という表現を、必要以上に使いたがる。もちろん意味を履き違えている。「ビーフストロガノフ」「マークジェイコブス」「ケイトスペード」などの単語も、不意に発するから驚きだ。


少し前に、いっしょに、ファッション用語しか使ってはいけない“ファッションしりとり”をしていた際、きじ夫の口から「アンナモリナーリ」が出てきたのには驚いた。私が話すことを聞いてるんだなと思う。


「三々五々」などの言葉をインターネットで調べる姿を見るたびに、心から応援したくなる。