Kijikko diary

上海在住。手芸と小沢健二を愛する、私のダイアリー。

極悪の教典

はじめに言っておくが、オレは破壊を愛する男だ。
オレの前に、小難しい言葉は通用しない。
投げる、落とす、つぶす。これだけが真実。
今日はオレの日課を紹介するとしよう。



まず手始めに、空気清浄機。
ピコピコ光りながらきれいな空気なんか出しやがって、しゃらくせえ。
本体の電源ボタンを切ったら、変圧器のコードを抜き、息の根を止める。
オレはきれいな空気なんか大嫌いだ。
大気汚染万歳、PM2.5上等。



次のターゲットは、メルちゃんの幼稚園セット。
オレの最大の敵・姉の宝物だが、普段触ることは許されない。
ヤツが幼稚園に出かけた隙を狙って、歌が流れるボタンを連打。
「せ〜んせいおはよ〜♪」などという妙な歌を全部聞く必要はない。
ボタンを連打して電池を消耗することだけが目的だ。



整然と並んでいるものにも、ヘドが出る。
絵本、おむつ、クッション。
オレは清潔が嫌いだ。
不潔こそが友。
きれいに並んでいるものは、すべてなぎ倒してやれ。



「力加減」という概念はオレの中にない。
柔らかいものは、どんなものでも4本の鋭い歯で噛みしだく。
生えてきたばかり、と侮るなかれ。
太ももにも、二の腕にも、乳首にだって容赦はしない。
おっぱいを飲むふりをしながら、実の母に一撃を喰らわす。
いつもバナナばっかり食べさせやがって、という復讐の意をこめて。
ヤツの痛がる様子を見ていると、思わず笑みがこぼれてくるぜ。



動くものはすべて敵。
ドラム式洗濯機もしかり。
オレの手で、たちまち動きを止めてやる。
ベビーゲートが半開きになっているときを見計らってキッチンに忍び込む。
そして洗濯機のボタンを押すのだ。
ボタンが多いから、とりあえず全部押す。
一時停止のボタンは2度押すとまた動き出すので注意が必要。



すべてが終わったら、高いところにのぼって雄叫びをあげる。
食卓に上っても大丈夫、高ければ高いほど、危険であればあるほどいい。
タライを逆さにしてその上にのぼるのもいい。少しでも高くなることが重要。
ハサミを振り回すのもいい。
棒を振り回すのもいい。
今こそ叫べ、オレがこの世の王者であると。



・・・という極悪人が上海にいるとかいないとか。